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t 分布

当サイトでは述語論理の記述を多用します。
一般の書籍・論文ではあまり見られない記号を使用する場合もありますので、 本サイトで使用する数学記号 を参照しながらご覧ください。

\(t\) 分布の定義と性質

定義1. \(t\) 分布

互いに独立な確率変数 \(X\sim\mathcal{N}(0,1)\) および \(Y\sim\chi_n^2\) について,確率変数

\[ T=\frac{X}{\sqrt{Y/n}} \]

が従う分布を自由度 \(n\) の \(t\) 分布といい, \(t_n\) と表す.

定理1. \(t\) 分布の確率密度関数 (1)

分布 \(t_n\) の確率密度関数 \(f:\mathbb{R}\to[0,1]\) について

\[ f(x)=\frac{\Gamma(\frac{n+1}{2})}{\sqrt{n\pi}\Gamma({\frac{n}{2}})} \left(1+\frac{x^2}{n}\right)^{-\frac{n+1}{2}} \]

定理2. \(t\) 分布の確率密度関数 (2)

分布 \(t_n\) の確率密度関数 \(f:\mathbb{R}\to[0,1]\) について

\[ \int_{-\infty}^{\infty}f(x)dx=1 \]

定理3. \(t\) 分布の平均・分散

分布 \(t_n\) の確率密度関数 \(f:\mathbb{R}\to[0,1]\) について

\begin{align} \mathbb{E}_{T\sim t_n}(T)&\triangleq\int_{-\infty}^{\infty}xf(x)dx=0 \\ \mathbb{V}_{T\sim t_n}(T)&\triangleq\int_{-\infty}^{\infty} (x-\mathbb{E}_{T\sim t_n}(T))^2f(x)dx=\frac{n}{n-2}\quad(n\ge3) \end{align}